セダムとは 常緑キリンソウとの違い
セダム(Sedum)とは、ベンケイソウ科のマンネングサ属(学名:sedum属)に分類される多年草の多肉植物です。全世界に400種以上が存在するといわれます。別名「万年草」とか「弁慶草」とも呼ばれています。乾燥に大変強いことが特徴で、海岸や崖などのちょっとした吹きだまりなどほとんど土のない場所でも生育しているものをみかけます。耐乾性に富み、屋上や屋根、人工地盤上など土壌厚や水分の確保が困難な条件下においても生育が可能な植物です。セダムは、CAM型と呼ばれる特殊な光合成を行います。これは、夜に気孔を開いて二酸化炭素を取り込み、リンゴ酸という物質に変化させて貯え、昼は気孔を閉じて貯えたリンゴ酸を使って光合成を行うというものです。この方式は、通常の光合成に比べ効率は落ちますが、蒸散による水の損失を少なくできるため、水の不足しがちな乾燥地や岩の上に生息する植物に適した方法です。繁茂しすぎると蒸れにより病気にかかりやすくなります。
キリンソウもかっては、マンネングサ属(学名:セダム属)に分類している研究者も見受けられましたが、現在、国際学的にはキリンソウ属に分類されています。 国内では、まだ誤った記述がみられますが、キリンソウは正式にはキリンソウ属に分類されています。常緑キリンソウとセダムは異なる種属になります。常緑キリンソウは、在来のキリンソウの品種改良を行い、より進化した植物です。常緑キリンソウは、セダム類の強さを併せ持ち、セダム類の弱点を克服した、ハイブリッド植物です。