育成者権侵害訴訟・民事訴訟の特則とは
育成者権者又は専用利用権者は、自己の育成者権又は専用利用権を侵害する者又は侵害のおそれがある者に対し、民事上の措置として、裁判所に、侵害の停止又は予防の請求(差止請求)、損害賠償の請求(不法行為に基づく損害賠償請求)等の訴えを提起することが出来ます。
このような民事訴訟は、育成者権侵害訴訟と呼ばれています。
民事訴訟の特則
民法上の不法行為に基づく損害賠償請求については、原告となる育成者権者が、①侵害行為、②侵害者の故意・過失、③侵害行為と損害との因果関係、④損害額を主張・立証する責任を負うのが原則であり、この主張・立証責任を果たせないと敗訴してしまう事になります。
ところが、育成者権の侵害については、育成者権者等の知らないところで侵害行為が行われていることから、育成者権者等においては、どのように侵害行為が行われたかなどの侵害行為に関する情報を入手する事が困難です。また、育成者権者等が侵害行為によりどの程度の損害を被ったについても説明することは困難な面が有ります。
このように、育成者権侵害訴訟においては、侵害行為についての情報が侵害者側に偏在していることなどにより、育成者権者等の主張・立証活動が困難であると言えます。育成者権の保護・強化といっても、最終的な手段である民事訴訟において、主張・立証責任の困難さにより敗訴してしまうとなると、育成者権等の実効性が失われ、品種登録制度自体が意味のないものになってしまいかねません。
そこで、育成者権侵害訴訟における育成者の主張・立証を容易化し、育成者権侵害に対する損害の回復を円滑に行う事が出来るように、特許権等の他の知的財産権法における制度を踏まえ、以下のような民事訴訟法の特則規定が整備されています。
①損害額の推定規定(法第34条)
②過失の推定規定(法第35条)
③相手方の具体的態様の説明義務(法第36条)
④侵害行為の立証や損害額の計算に必要な書類の提出等(法第37条)
⑤損害計算のための鑑定人に対する説明義務(法第38条)
⑥裁判所による相当な損害額の認定(法第39条)
⑦秘密保持命令(法第40条ないし42条)
⑧当事者尋問等の公開停止(法第43条)
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