8.薬草、保存食として有効
古来、キリンソウは薬草として、保存食として利用されていました。
山菜には、春の若葉、若芽を採取して塩ゆでして水にひたして、胡麻和え、生姜醤油、辛子マヨネーズで食べることが出来る。また、虫刺され、浅い切り傷には、生の葉を良く洗い磨り潰した汁を患部に塗る塗り薬として使う。
江戸時代には救荒植物として、飢饉に備えて、キリンソウ(麒麟草)の全草を茹でて日干しにして乾燥させて保存食にしたと言われています。
常緑キリンソウを塩茹でして食べてみました。
常緑キリンソウを天婦羅にして食べてみました。
常緑キリンソウの薬用効果
キリンソウは、傷や虫刺されなどに対して薬用効果があると言われています。実際の効果が知るために実験を行ったところ明確な効果がありました。
実験に至るまでの経過:ブヨ*1により受傷した創部に対し、リンデロンVG軟膏*2を塗布し冷罨法にて2日経過、症状はほとんど軽減しなかった。
実験方法:常緑キリンソウの葉1枚から汁液を絞り、創部にすり込む。塗布は1回のみとした。
結果・総評:ステロイド軟膏と冷罨法による創部の治療にあたるも症状軽減がみられませんでした。しかし常緑キリンソウの汁液塗布により、発赤、膨瘤、受傷部の炎症症状はもとより、強い掻痒感までもが明らかに軽減されましたよって常緑キリンソウは薬用効果があると考えることができます。
発赤し、膨瘤している
痒みのグレード5*3、発赤面2.5cm
発赤軽減、膨瘤なし
痒みのグレード0~1*3、発赤面1.5cm
方法:常緑キリンソウの葉からの汁液を絞りすり込む
*1ブヨ:強い毒性を持つ。刺されると、強い掻痒感と受傷部位に熱を帯び発赤、膨瘤する。
*2リンデロンVG軟膏:皮膚外用合成副腎皮質ホルモン抗生物質配合剤。強い毒性を持つクラゲなどにより受傷した際、処方、塗布する。
*3痒みのグレード:0:痒みなし Ⅰ:ほんの少し痒い 2:もう少し痒い
3:もっと痒い 4:とっても痒い 5:これ以上の痒みは考えられないほどの痒み