生木にはもともと強い耐火性があり、大火時には劇的な防火効果をしまします。関東大震災のときには樹林帯のあった上野公園などのオープンスペースによって多くの人の命が救われたことはよく知られています。
屋上緑化・壁面緑化には火災に対する延焼防止効果が期待できます。屋上植栽や壁面植栽を延焼遮断帯や防災公園といった都市防災施設と関連させ計画的に展開させれば非常に効果的です。
また、火災からの建築物保護効果もあります。特に壁面緑化は有効です。植物によって発火を抑え、火災時の輻射熱を大幅に低減させることができます。ツル植物の耐火性能は、従来から用いられている防火樹と同等であるという結果も報告されています。また、室内観葉植物により火災時の輻射熱を半減させることができるというデータもあり、屋内緑化も火災に有効といえます。避難経路の確保という効果もあります。植物は耐火性があり、耐震性もあるので、適切な樹種選択と配置を行うことで、火災などの避難経路の安全性を向上させることができます。